カテゴリ: 北陸新幹線

 
      12月2日付け日経MJ1面

大快挙です!北陸新幹線が又吉の火花を抑えて堂々の東の横綱に「かがやき」ました!西の横綱はラグビー日本代表なので、EW7系があの五郎丸と肩を並べたことになります。

見出しにもあるように、優勝候補を破ったラグビー日本代表を「番狂わせ」と、記事中で日本を代表する交通インフラと表現した北陸新幹線を「横綱相撲」と日経MJでは表現。

2015年を締めくくる師走時に、北陸新幹線が2015年のヒット商品のトップに認定される栄誉を授かりました。

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本日、10月22日の読売新聞の電子版に、北陸新幹線「はくたか」の停車パターン変更を大きく示唆する記事が掲載されました。

「はくたか」停車駅絞り、時間短縮検討…JR西

記事を要約すると、

・停車駅が多い「はくたか」の一部列車について、次期ダイヤ改正で停車駅を絞って所要時間の短縮を図る

・東京―上越妙高間を管轄するJR東と調整を進めている

・「はくたか」の準急タイプは、東京―富山間の所要時間は2時間半前後かかり、最速2時間8分の「かがやき」と比べると遅い。

以上の、ことを踏まえると、新しい「はくたか」の停車パターンは「富山ー東京間」の所要時間短縮を目論んでいて、
JR東日本とも調整しているということは、上越妙高ー東京間での停車駅の削減を要請しているということになります。

記事の最後では、「新高岡駅のかがやき停車については消極的」であることがわかりますが、JR西日本はその「落としどころ」して、この「速達はくたか」を持ち出してくるのではないでしょうか。

もちろん、JR東日本の区間だけに停車駅の削減を要請しておいて、自社区間にすべてのはくたかを停車させることはあり得ないので、自社区間でのはくたかの停車駅の削減も検討していると思われます。

そうなると、真っ先に通過駅候補となるのが北陸新幹線のJR西日本管内の駅で最も利用者数が少ない糸魚川駅ではないでしょうか。

逆に、世界のYKKを擁する黒部宇奈月温泉駅については、「かがやきの一部停車」を要請するほどの勢いなので、「速達はくたか」の通過駅ではなく、停車駅の候補に入るはずです。

現在、「かがやき」の停車を要請している駅は、「新高岡」「黒部宇奈月温泉」「上越妙高」の3駅ですが、「速達はくたか」は、この3駅の要請を妥協させる停車パターンになると思われます。

そう考えると、大宮以降は、軽井沢ー長野ー上越妙高ー黒部宇奈月温泉ー富山ー新高岡ー金沢と、JR東日本にとっては軽井沢と上越妙高という2大ドル箱駅を抑えた、JR西日本にとっては「かがやき停車請願駅」に対する落としどころになる、両社にとっても旨味がある停車パターンになるのではと予想します。

このニュース、21日の記者会見で発表されたものですが、地元の夕方のニュースではNHKも含めて各社スルー、
当の読売新聞でも紙面にはなく電子版のみの掲載なので、さらなる詳細は不明ですが、今後の動きに注目です。


開業して半年が経とうとしているあいの風とやま鉄道。

先月、6月までの開業3ヶ月間の利用状況が発表されましたが、なんとJR時代の実績の7.5%増しの、1日あたり4万4000人が利用!東海道線の小田原と熱海の間の利用者が4万1000人だから、これってすごい数字ですよね。

もちろん、弊害も出ていて、朝7時台の富山→魚津間と夜八時台の富山→高岡間の電車の乗車率が120%越え。これ、富山の鉄道では大事件です。


あいの風では、これを受けて、9月7日より、該当時間に1便ずつの計2便の増便を開始。いわゆる平行在来線の中でも、この高岡ー魚津間はJRが新幹線開業後も保有する意思を示したほどの富山の「ドル箱」区間なので当然のことなのかもしれませんが、それでも3セクの中では快挙です!


次なる目標は、3セクの優等生、ほくほく線を持つ、北越急行でしょうか!!!


さて、そんなあいの風の乗車率を大きく下支えしてくれているのが、北陸新幹線。あいの風の定期外利用率が推定以上に上昇しているらしいので、北陸新幹線から多くの観光客があいの風にも乗り換えているのでしょう。

JR西日本もお盆期間中の北陸新幹線の利用者数を発表しましたが、糸魚川~上越妙高間で、先月8日から17日までの11日間の利用者数が約38万人と「特急はくたか」時代の2.5倍に増加したことが発覚!!
富山空港の利用者減を差し引いても、昨年よりも富山を訪れた方が相当増加したことがわかります。

ますます盛り上がっている鉄道王国富山・・・・・・、と、肝心のおひざ元ではトホホ・・・。

富山市も、富山駅のいわゆる南北接続について発表しましたが、南北接続の前提となる現在のあいの風とやま鉄道の魚津方面の路線の高架化の完成が今から3年半後、
     (c) KNB


セントラムとライトレールの接続がさらにその1年後と、

          (C) KNB

この状況なら、みんなが待ち望んでいる南北自由通路の完成も今から4年ほど待たなければいけないという現実を改めて目のあたりにしました。

90年代、まだ前知事の中沖氏が北陸新幹線の実現に向けて奔走していたころ、北陸新幹線の完成より富山駅の完成が遅れるなんて誰が想像したでしょう。

史実は小説よりも奇なり。

(後日談)
朝の、増便については、早速、地元テレビ局の夕方ニュースのトップで報じられていました。
  (c) TOYAMA TELEVISION BROADCASTING Co.,ltd.

しかし、地元の3セク鉄道の増便がトップニュースに来るとか、我が富山、本日も平和なり。

 (C)2015 Tokyo Rainbow Pride

北陸新幹線延伸開業によって、富山県には多くのものがもたらされました。

その一つが、前年比3倍のGWの観光客。東京から2時間ちょっとで気軽に寄れる観光地として、富山は伊豆や箱根とともに首都圏からの観光地として選択肢に加えられることとなりました。

もう一つが、企業の移転です。本社の中枢の多くを黒部市に移転したYKKをはじめ、大規模なコールセンターや製薬工場が、北陸新幹線の定時性と震災時のバックアップ機能に期待して首都圏からやってきました。

ここまでは、あくまでも経済的な側面です。しかし、北陸新幹線が容易にした首都圏との人的な交流により、これ以外に富山県にもたらされた価値があります。

ある五月の富山の夕方のローカルニュース。番組は、一人の富山県在住の男性が北陸新幹線に乗って、東京に向かうシーンを映していました。男性の名前は沢田弘樹さん(仮名)。沢田さんは、いわゆるLGBTと呼ばれる性的マイノリティーに該当する方で、この日は東京の代々木で行われていたLGBTのパレードであるレインボープライドというイベントに参加するために北陸新幹線へと乗り込んだのでした。

レインボープライド
※LGBT Lesbian Gay Bisexual Transgenderの略称。

このLGBT、日本人の13人に1人の割合で該当者がいるということで、富山ケンミン108万人を単純に計算しても、おおよそ数万人の規模で富山県内にもLGBT該当する方がいらっしゃるということになります。

沢田さんは代々木のパレードで、富山をアピール。
 
(c)KNB

曰く「思ったより沿道の人が多く、拍手をもらえてうれしかった。」「この看板を見て富山で活動している人が声をかけてくれた」。

この沢田さんの一日の流れは、何を意味しているのか。

一つは、北陸新幹線によって首都圏とのアクセスが容易になったため、富山ケンミンが気軽に東京でのイベントに参加しやすくなったということでしょう。この気軽にという部分が大事で、ビジネス需要以外で東京でのイベントに参加することはなかなかハードルが高かったのではないでしょうか。
事実、沢田さんも「初めてのこういうイベントでドキドキした。」とコメントされています。

もう一つは、沢田さんが東京の代々木で、同じ活動を富山で行っている方と出会ったという部分で、北陸新幹線によって東京という場所が県内に在住されているマイノリティーな方々のサードプレイスとして機能しているということです。
地縁、血縁が色濃く残る地方都市において、LGBTも含めたマイノリティーな方々が堂々と集える場所はまだまだ少ないでしょう。沢田さんも、このイベントに参加して「ひとりじゃない。少数じゃない。」と感じることができたとおっしゃっていっました。いわば、北陸新幹線が創り出したもう一つの価値です。

以上の二つは、今まで富山ケンミンとして富山に産まれた人だったら、進学か就職で東京に行かない限り、なかなか経験できることじゃなかったはずです。それが、今では、例えば、富山での生活を送りながら週末土曜日に日帰りで経験することができるんですよね。
この富山で生活を送っている方が週単位という部分も大事で、進学や就職で東京に行った方が富山に帰省するのって、盆暮れ正月GWの4か月クールの単位だったはずです。それが、毎週、どこかの富山ケンミンが東京で触れた価値観やセンスを持ち帰ってくるのですから、完全に富山県の文化を変えてしまうほどのパワーがあります。

最後に、沢田さんがパレードで富山をアピールしたことによって、全国のLGBTの方々に富山の名前を知っていただき、さらにはその中から新たに富山に触れてみようと思われた方も出てくるかもしれません。

県内在住のマイノリティーに該当する方々の日々の暮らしをかがやかせてくれた北陸新幹線、富山の文化そのものをさらにかがやかせてくれそうです。



以前、とやどこのエントリーでも紹介した、北陸新幹線延伸開業日の翌日に行われた、黒部宇奈月温泉駅の発車メロディーでもある煌〜きらめきの地域住民500人による大合唱。

関連エントリー
君は、黒部宇奈月温泉駅の発車メロディーを聞いたか?


この模様が、ついに全国放送されることとなりました。
放送日時は以下の通りです。
BS日テレ 5月30日(土曜) 16:00〜

ナレーターは、煌の作詞、作曲を担当した、富山を中心に活躍するアーティスト高原兄さん。

最近の北日本放送(日本テレビ系列)は多くの黒部地区の美しい湧水や立山連峰の映像素材をローカル番組でも多く放送しているため、この番組も大合唱のシーンだけでなく、黒部の美しい光景がところどころに織り交ぜられことが期待されます。また、同じくローカル番組で取り上げられた、高原兄氏のこの歌に関する思いも放送されると思います。

土曜の午後、是非、黒部の美しい風景を清らかな歌声とお楽しみください。


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