2015年11月

20151029_095146394_iOS
今週末には、LOVE TRAINなる電車が富山平野を駆け抜け、街コンならぬ鉄コンを仕掛け盛り上がるあいの風とやま鉄道。

盛り上がっているのは、LOVE TRAINだけではありません。16日、上半期の収支見込みが発表されましたが、
それによると、今までの1日あたりの平均利用者数は4万2283人。資料がある2011年と比較して5.2%の上昇となっています。

もちろん、この4年間で急激に富山県内の人口が増加することもないので、明らかに北陸新幹線からの(又はへの)乗り継ぎの方々の数字です。

特に、富山駅からかがやきに乗り継ぐ呉羽~高岡間の需要が大きいのではないでしょうか。(新高岡駅的には痛しかゆしですが・・・・)

この4万2283人という数字、高崎線の熊谷ー高崎間や東海道線の小田原ー熱海間の利用者数に匹敵します。つまり首都圏の郊外区間と同じ利用者数を維持していることになります。当初、平行在来線区間でも富山ー高岡間はドル箱(死後)区間だったため、JR西が最後まで自社運営にこだわったのもわかります。

これだけ利用者が増えると、気になるのがお財布事情。上半期の運賃収入は15億6000万円、当初計画より20%増。これにより当初見込みの今年度3億円の赤字を無事に回避できる模様です。

あいの風開業前、鉄道事情に詳しいTBSの解説委員の杉尾秀哉氏はあいの風の収支計画を見て、「今までの平行在来線でそれぞれの収支計画通りにいった会社はない。」と、開業後も厳しい状況が続くことを示唆されていました。

確かに、おれんじも、青も、銀河も、その会社名とは裏腹に赤くそまっていますしね・・・・。(元祖、平行在来線は完全に「しな」びていますし・・・)

そのような状況で、この数字は快挙です。普通、平行在来線は新幹線により利用者が減少して赤字が続くという悪循環が続くのですが、幸か不幸かあいの風とやま鉄道は新高岡駅の立地の関係で呉西地区のかがやき利用者の需要を一気に取り込んでしまって状況で利用者が増加しているという。

(どうせなら、あいの風とやま鉄道も新高岡駅にまっこうから対抗して金沢発富山行きの「快速かがやきリレー号」を出せばいいのに。ま、この名称はシャレにならないので、せめて「快速サンダーバードリレー号」を運行してほしいですね。)

そんな、好調の中、あいの風とやま鉄道は、2018年度後半中に、独自の観光列車を走らせることも発表。

運行は、泊~高岡間を予定。

以前から、とやどこではあいの風とやま鉄道沿線は、富山の自然美を堪能できる移動劇場だと言ってきましたが、http://toyadoco.blog.jp/archives/1021919469.html、
ついに、その「移動劇場」が具体的に完成する運びとなったわけです。

しかし、実現まで2年以上、
どうせなら真鍋さんと直談判して、この緑色のやつ、あいの風とやま鉄道にも貸してもらいましょうよ、市井さん!


富山の名峰剣岳の入り口の一つである富山県上市町の馬場島(ばんばじま)には、多くの石碑が立っています。もちろん「記念碑」などではなく、過去数十年以上にわたって剣岳を目指して命を落とした山屋さんに対しての鎮魂のための証としての石碑です。

かように、自然を前にしては人間の所業など儚いものだということがわかる一例ですが、だからこそ我々人間は手と手を取り合い自然に対峙していくしか方がないと悟ることになります。

例えば、富山の大雪。除雪(富山では、「雪をすかす」と言います。)作業は到底1人ではできません。大雪という自然に対峙するため、近所や地域の人が手と手をとりあって除雪という作業に協同で取り組みます。当然ながら、そこには反目や対立などという概念は入り込む余地はありません。そんな概念が発生した瞬間、自らが大雪という自然の犠牲者になることが明らかだからです。

これは、降雪量が多い地域ほどそんな傾向があり、富山県の五箇山はその最たる例です。地域の住民の団結は除雪という作業を越え、協同で各家の屋根の藁を葺くことはもちろん、ついには昔ながらの景観をみんなで守るという行動にまで至りました。

そんな地域の協同作業を富山では「人足」(にんそく)と呼んでいますが、そんな人足が終わった後、地域の公民館や寄合所にはささやかな宴の準備がされています。多くは、地元有志から供された等級外の地酒と「旬の魚」と言えば聞こえは良いが、要するにその時期に大漁となった最も安い魚。多くは、小振りのホタルイカだったり、冬なら寒ブリの一歩手前のフクラギだったり。

いずれにせよ、心地よい人足のあとで味わう至福時間。ちっぽけなイデオロギーにこだわるより数万倍、幸せな時間が過ごせます。

イデオロギーの違いにより拳をあげることは簡単だけど、その先には何もない。

そんな体力があるなら、まず冬の富山に来て雪をすかせばいい。そして、安いけど美味い水で作った酒と、富山湾の幸を楽しめばいい。

ミシュラン富山・石川版は是非フランス語版も発売して、富山までの「かがやき」(Shining Express)の時刻表も掲載して、フランス語圏の方々にも読んで頂きたいですね。

無駄な殺生をこれ以上増やさないためにも。

11月10日の富山県庁、富山県のマスコットキャラ「きときと君」と、ミシュランマンが仲良く並んでいます。


この日急きょ発表されたミシュランガイド「富山 石川(金沢)版」の発行。

今まで国内でミシュランガイドの対象とされたのは、首都圏・関西以外では、福岡・広島・北海道のみ。

そこに、堂々の「富山 石川(金沢)版」もノミネート。さらにさらに、今までは、「るるぶ」とかJTBの旅行パンフは、大きく「金沢」 の文字の後に小さく「富山」とあったのが、フォントの大きさが同等な上に先行に「富山」の文字。

まさに、富山第一が星稜をサッカーで下した以来の快挙!

と、冗談は(半分本気でしたが)さておいて、このミシュランガイドが発行されるのは、早くて来年の5月以降。

ということで、とやどこでは来年の5月まで待ちきれない方のために、ここは確実に星2つ以上来るだろうなという場所を3つ予想させていただきました。

まずは、富山の美食の定番中の定番。
五万石(ごまんごく)。 


関西出身のオーナーが、40年以上にわたり、富山の食材を生かした和食料理を提供してきた、富山の「和」の定番。後述するフレンチの「レボォ」もそうですが、富山の料理界をリードされている方の多くが「富山の食材に魅入られた」いわゆるよそ者・若者の方が多いです。ここのおせち料理を正月に仕出しとしてオーダーするのが富山ケンミンのステータス。

お次は、富山発フレンチ、若きシェフが富山の素材を駆使してあのノーベル賞街道の富山市大沢野で展開するレストラン、
レヴォ
logo



あの山本益博氏して「目もくらむような才能」と評した谷口英司シェフは、富山の海の恵みどころか、大地の恵み、山の恵みをそのアンテナを駆使して各農家から直接仕入れたオール富山素材で富山キュイジーヌを提供。
「地方版」のミシュランではなく本家のle Guide Michelinの調査員であっても確実に唸っているレベル。おそらく、ミシュランの調査員も季節を替え複数回に渡って訪れているのでは。

富山の「磯料理」ならここ、
松月(しょうげつ)
syasin5

白エビを始めとする季節の富山湾の幸をこれでもかと楽しませてくれる店(らしい・・・・。) と、いうのは、このお店は「レストラン」というレベルを超えて完全な料亭レベルなので、富山ケンミンはもちろんのこと観光客の方ですら、なかなか入れないお店なんですよね。

いわば、富山の「吉兆」みたいな感じのお店ですが、北前船の寄港地として栄えた富山市岩瀬地区に古くからある老舗中の老舗だけに三ツ星は確実か???

と、ここまで正統派の「グルメ」なお店なんですが、最近は「串カツ」や「お好み焼き」なんかのご当地系グルメが掲載されているのがミシュランの「地方版」の特徴らしいのです。

では、富山の「ご当地系グルメ」でミシュラン入りするのは??

いくらなんでも、「富山ブラック」はミシュランとは相容れない代物なので、期待をこめて、つい先日ケンミンShowで華々しい全国デビューを飾った「ぼてやん多奈加」のお好み焼きが星1つくらいで登場する可能性があります。
56baea59-s

ちなみに、本家ガイドの旅行版
ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでは、「五箇山」が三ツ星の旅行先として掲載されています。

発売は、来年夏、どうせなら「立山そば」も食べてみてくださいね、調査員さん!!


先日も、ふらっと行ったぼてやん多奈加。当ブログでは既に紹介済みの富山オリジナルのお好み焼きのお店です。

写真は、この日オーダーしたエビ玉とビール。焼き上がりに時間はかかりますが、この独自の食感にクセになってしまいます。

そんな、「ぼてやん多奈加」が、急遽全国ネットのテレビに登場する可能性が!


本日のテレビ欄のケンミンショーにこんな紹介文が。これ、もしかしたら、ぼてやん多奈加のことじゃ?

さらにさらに、先週のケンミンショーの予告ではこんなシーンも。
   (c)  ytv

手元にあるぼかしがかかった皿が、ぼてやんの青いプラスチックの平皿見えるんですよね。

と、とやどこには、かつて「恋仲」の最終ロケ地を予想して、まんまと大外しした「前科」があるので大きなことは言えませんが、、、、


いずれにせよ、本日のケンミンショーは「富山のお好み焼き」が紹介されるのは確か。

しかし、今日は裏番組で、
サッカー日本代表と野球日本代表が控えているという大激戦な日!さらには、富山ではあまり関係ありませんが全国的には「和風総本家」も控えています。(なんということでしょ〜)。

つまり、富山のお好み焼きvs サッカーの本田、中居くんと主砲中村、天童将棋のコマという手強い相手を向こうに回して視聴率を獲得するという、ニュースウォッチ9ですら報じない熱い戦いが展開されるわけです!

ま、これじゃ、当の富山ケンミンですら、6チャンネルか8チャンネルを見てしまいますね〜。

圧倒的にアウエーな富山のお好み焼き、放送は本日夜9時。


富山マラソンで1万4千人が疾走するとともに、先週も様々なニュースが駆け巡った富山。

まずは、お馴染み「新幹線効果」に関するニュースから。ただし、これはあまりいい効果ではないですが・・。

11月2日

「魚津駅 平日利用者17%減 休日利用者40%減」
http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20151103/CK2015110302000040.html


歴史的には県庁所在地が置かれていたこともあり(新川県時代)、現在においても、富山県新川地区の中心都市である、富山県魚津市。しかし、新幹線「素通り」の効果がこんなにも早く出てきているとは・・。

現在の魚津の悩みどころは、地名にしろ観光名所にしろ、お隣の「黒部」や「ホタルイカ」と違って全国的にリーチしているものはないという部分。経済的にも、お隣黒部にYKKが本気で事業所を移転を開始した今、黒部の経済植民地に成りかねない状況。

さらに、この魚津が創業の地である日本カーバイトまでが、北陸新幹線効果による事業所集約を、お隣の滑川市で行う模様。http://www.tulip-tv.co.jp/news/detail/?TID_DT03=20150908163637

YKKとホタルイカのはざまで苦しむかつての中枢都市の苦悩が早くも浮き彫りになっています。

「苦悩は続く 富山きときと空港 10月は目標値の4割程度」
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20151102-OYT1T50173.html

ついに全国紙にまで取り上げられるようになってしまった、ANAの富山便縮小問題。河川敷に滑走路がある富山空港にとって、これからの雪の季節はさらに鬼門。

富山便名物「条件付き運航」「代替地着陸」が頻発するなら、ビジネス客は一層「かがやき」に流れてしまいます。 

こちらは、今年の2月9日の富山空港の様子。この日は、初便意外は全て欠航。

本当にLCCの運航を検討してもよいのでは?

11月3日

「富山駅前桜町再開発事業 解体工事がはじまる」


いわゆる、シネマ食堂街があった場所を更地にして再開発ビルを作ろうという計画です。シネマ食堂街はいわば富山における「ゴールデン街」みたいな場所だったところで、表通りと「大人の映画館」までを結んでいた何本かの路地に色々な飲食店街がひしめきあうように建っていました。

そこには、夜な夜な地元のマスコミ関係者はじめ、ミュージシャンや芸術家を志望していた人、さらには何をやっているか不明な人が繰り出してきていました。(かつて「サヨナラ模様」で大ヒットを飛ばした伊藤敏博さんも、デビュー前はこの街に繰り出していたそうです。)

新しいビルは、大原簿記学校を中心としたホテル・ショッピングの複合施設となるみたいですが、くれぐれも須田ビルをつぶして、今や富山駅前の黒歴史ともなりつつある「CIC」(シック)の二の舞にならないように。

ついでに、シネマ食堂街に集まっていた「何をしているのか不明な人」がどこに行ってしまったのかも気になります。

11月4日

「日医工 滑川工場をさらに拡充へ!」
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO93629850U5A101C1LB0000/

90年代、富山県が北陸新幹線の建設をめぐって出口が見えない暗闇の中を歩いているころ、この会社もゴルフ場の経営失敗や診療報酬削減の影響を受けて、リストラの嵐が吹いていたそうです。

時は流れて、2016年、北陸新幹線でノリにノッテいるる富山県同様、この会社もジェネリック薬品の適用拡大の波を受けて業績はうなぎのぼり。今や、地元の大きなイベントで「日医工」のロゴを見ない日はないというくらい、富山ケンミンにも親しまれています。(かつて、富山市新庄町の小さな工場でひっそりと後発医薬品を作って時代を知る人もいないでしょう。)

先ほどの日本カーバイトの工場も滑川に拡充移転、最近、呉東地区では黒部市ばかりが話題にあがりますが、滑川市もなかなか勢いがあります。

今や、YKK以上に勢いがある富山の企業「日医工」、滑川工場の社員食堂からは立山連峰と北陸新幹線を同時に眺めることができるそうです。

11月5日

「梶田さん 久しぶりに富山市大沢野から神岡に出勤」
http://www.sankei.com/life/news/151105/lif1511050028-n1.html


今や、世界一有名な「富山シミン」である梶田さん。この日は、久しぶり「ノーベル街道」こと国道41号線を使いスーパーカミオカンデに「出勤」。

梶田さんの受賞を知ったとき、とやどこ管理人は受賞者の梶田さんが富山市在住だったこと以上に、カミオカンデの研究者の多くが富山から神岡(飛騨市)まで通勤しているということに驚きました。

どうせなら、富山市も通勤費や住宅とかで、「日本一研究者に優しい街」を目指してみるのもいいのでは?

次期の重力波研究の「かぐら」では、富山大学とのコラボも決定しているので、さらに富山に学生や人材が集まりまっせ!森さん!

11月6日

「富山もカニ解禁!」


北陸AKB(えび、かに、ぶり)の一角を占めるカニが、ついにこの日解禁。 この日は、富山だけでなく富山以西の日本海側すべての県でカニ漁解禁。つまり、氷見や新湊だけでなく、豊岡(兵庫)や境港(鳥取)をも巻き込んだ西日本カニカニ合戦が繰り広げられるわけです。

もちろん、我が富山県は新幹線で日本で二番目に日本海に速く行ける場所なので、この西日本カニカニ合戦の覇者の最有力候補であります。

11月7日

「二年ぶり 高校サッカーはThis is 富一!」
http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20151108/CK2015110802000039.html

好事魔多しとは、よく言ったもので、あの「最後の国立」の劇的な瞬間から1年半、ここのサッカー部はすべての大会において全国大会への出場を逃してきました。

そして、久しぶりに手に入れた全国大会への切符。

準決勝で対戦した水橋高校(いわゆる、富山ダービー)、決勝で対戦した富山東ともにかなり出来がよかったチームだったので、それを倒す実力というのは、全国大会でもかなりの期待が持てます。

ライバルのお隣からは、もちろんあの高校が勝ち進んできたので、できれば2年ぶりの「かがやきダービー」を見てみたいものです。

以上、11月1日から7日までの富山の出来事でした。

↑このページのトップヘ