2015年08月

2016 おわら風の盆 JR高山線 整理券情報
 
今年もついにやって来ました、JR高山線が朝の埼京線状態になる日、八尾諏訪町の夜がサッカー日本代表戦後の渋谷センター街モードになる日、おわら風の盆。

開戦前夜、新装なったあいの風とやま鉄道各駅では下記のポスターを掲げ、大挙しておしかける乗客に牽制をしかけています!

富山駅だけでなく、高岡駅の液晶ディスプレーにも同じものが。


ディスプレーどころか、発車案内板でも整理券アピール。


んじゃー、整理券って何時から配るのよ??と、疑問をお持ちの、県外の北は仙台から南は長崎までのとやどこファン(2015年度とやどこ調べ)のために、JR富山駅に凸を試みました。


ぼんぼりで雰囲気を盛り上げる富山駅コンコース。

北陸新幹線を降りたお客様を煽りまくります。

そんな中、整理券配布場所を発見!!!

場所は、あいの風の改札を出て、斜め左方向。逆に、新幹線改札からは向かって右方向です。新幹線改札からは死角になっています。しっかりしてくれよー、富山駅!



そして、肝心な整理券配布時刻は以下の通りです。

特に17時、18時台発の整理券は争奪戦が予想されますね。そして、整理券が手に入らなければ、

無情にも、キハを見送ることになります。

とやどこ管理人も、この整理券争奪戦に参戦して、無謀にもおわら観光に行こうと決心。
(ただし、雨天中止)
2015年9月1日の夜の八尾の町の天気はこのような模様。(出典 ウェザーニュズ)

9月1日の夜はどうなるか、まさにアメージング!

明けて、9月1日、

14:30 富山市内薄く日差しが出ています。なんとか、天気持たないかな??

17:00 地元テレビ局の夕方ニュースで中継が始まりました。

    (c) TOYAMA TELEVISION BROADCASTING Co.,ltd.

フジ系のBBTでは定番の諏訪町から。

 
北陸新幹線で富山と長野が完全な日帰り圏となったと実感できます。

 そこまで言っていただけるとは!

  (C)KNB 

地元民放の雄、KNBでは衣装が華やかな東町から中継。カメラも複数台で、お金かかってました。

17:30 まさかの富山市内雨! うーん

18:15
 と、KNBの夕方のニュース、東町は大雨です。

18:20
東京五輪のエンブレム問題で10分遅れでスタートした、NHK富山のローカルニュース、JR越中八尾駅最寄の福島から中継も雨。

20:00 意を決して出陣!
富山駅着。まさかの、整理券フリーです。雨で人出が少なかったのでしょうか。これは期待が持てます。

整理券配布所も店仕舞い。

ガイドブック販売所も手持ち無沙汰。

一足先に富山駅に戻る人もちらほら。

今日は、富山で開催予定だった巨人ーヤクルト戦も中止。

それでも、ホームには警察、あいの風スタッフがいっぱい。

そうこうしているうちに、快速八尾行き来ました! 八尾行きの鈍行が4両編成であるこの違和感。

車内は貸切。車内アナウンスの「八尾までドアは開きません。」にワクワクします。

ドアは開かなくとも、高山線は単線なので、富山へ向かうお折り返しの臨時列車と交換のため各駅に止まります。しかし、この時間に越中八尾駅に向かっている違和感。

20:37 八尾着。小雨模様です。

21:00 天満町の街流しは、雨のため公民館内での実施となりました。

しかし、入りきれない人たちも公民館の周りを囲みます。

21:30 今や諏訪町とならぶツートップ、鏡町会場に移動。開演が遅れています。

 お約束、地元テレビ局のインタビューも。大阪からの女性グループ。

21:50 踊り手さん登場!

ツーフレーズほど地謡が続いた間奏のあと、まずは男踊りからはじまりました。

その後、間奏を挿んで、女踊りに。

別の浴衣の女踊りも登場。

最後のこのシーンでは、会場から拍手の嵐が。

22:20 今度は、いきなりThis is 風の盆である、諏訪町に突撃します。開演予定は22:30。おたや階段は観客で人が通れないのでガイドブックの地図をたよりに、裏道を猛ダッシュで諏訪町へ。

今回、公式ガイドブックをipadにダウンロードして持ち歩きましたが、本当に助かりました。
(Googlemapではトイレや案内所のような目印になるものがわからないので。)

ダウンロードはこちらから
越中八尾観光協会

美しい鏡町の石畳の街並みを堪能、、する間も無く、いざ諏訪町へ。

そして、ついに到着、坂と石畳の街、諏訪町。カメラの性能が美しい夜景に追いついていけません。
そして、全く人がいない雰囲気ですが、公民館から諏訪町支部の皆さんが出てくると、

周りはあっという間に人だかりに。ここ諏訪町はおわら風の盆の中でも一番人気なので、警備は厳重で、特にフラッシュ撮影については何度も注意がありました。

22:30 諏訪町輪踊りスタート。ここ諏訪町の地謡の方の声質が素晴らしい! 本当に聴いてよかったと思えるおわら。歌詞も諏訪町独自のフレーズ。例えば、「越中で立山♪加賀では白山♪」の下りは、「山形花笠、佐渡ではおけさ、八尾のおわら三国一だよ」とアレンジしてあります。諏訪町に限らず、各町オリジナルのおわらを愉しめるのも、風の盆の魅力ですね。

 この雰囲気、たまりません。

輪踊りなので、一般の方も参加できます。もちろん、諏訪町の輪踊りに参加されていた方は、皆さん腕に覚えのある方ばかり。


23:35 先ほどの天満町でこの状態。すわ街流しくるか?

街流しではなく、公式ガイドブックに掲載されていない通常の演舞でしたが、先ほどの雨を吹き飛ばすかのような優雅な雰囲気。

本当は、最後まで見たかったのですが0:00過ぎに越中八尾駅を出る、富山行きの快速列車に乗るために後ろ髪を引かれる思いで、天満町の胡弓を後にします。

JR八尾駅横の公民館でも、地元福島支部の踊手がこの快速の出発5分前まで演舞のおもてなし。このホスピタリティー、みんながリピーターになるのもうなづけます。



駅では、かなりレトロな、と言うより、かなり使い込んだキハの4連がお待ちかね。これに乗り込んで、とやどこ管理人人生初のおわら風の盆は終わりました。

しかし、想像以上にスムーズにおわらが楽しめて、正直気抜けしました。なんてったって、おわら初体験で鏡町と諏訪町というおわら風の盆のツートップの良席をゲット!と、勝因を冷静に分析してみると、


おわらのゴールデンタイムである夕方6時から8時がとんでもない大雨だった!

この一言につきます。

そう言えば、とやどこ管理人が越中八尾駅に到着した時、富山方面のホームは傘を指している人であふれんばかり。多くの方が夜8時過ぎには帰宅の決心をされたみたいです。

実際、売店の方々も、夜の10時前でこんなに人が少ないのは初めてとおっしゃってました。

つまり、雨天日こそおわらを楽しむための穴場と言えます。八尾のこの時期の天候は普段から変わりやすく、雨が降っていても急に晴れてきたりする場合もあるのです。(その逆も、もちろんあります)収穫の際の嵐を収めるために始まった祭りなので、おわらの時期の天候が変わりやすいのは当たり前ですが。

鏡町でハイビジョンムービーを抱えたこの道10年以上のおじさん曰く、「粘り強く八尾の街に通った奴だけ、いい景色と胡弓に出会えるんだよ。」

と、ここまで書いておいて、正直、他府県から大枚叩いて、それも何回も観に来るものなのかなと思ったのも事実。おわらの歌詞の多くは少し湿度を感じる色歌、SNS世代にとっては退屈を通り越して相容れなさを感じてしまうのでは。

と言いつつ、坂のある昔ながらの街並みのいずこから聞こえてくる胡弓の音、ぼんぼりと月明かりに照らされた石畳をあるいていくと、そこには勇壮な男衆と優雅な女衆の踊りが、おわら風の盆は「おわら」という謡だけでなく八尾という街と一体となった芸術作品なのだと実感しました。

最後まで、読んでいただいたお礼に、とやどこ管理人が鏡町、諏訪町、天満町で味わった2015 おわらの風の盆の雰囲気を以下でどうぞ!




海だ、街並みだ、珍しい橋だと寄り道だらけのサイクリングで、出発地の雨晴(あまはらし)駅を出てから、はや1時間。やっと、目的地の魚々座(ととざ)前にたどり着きましたが、本当に飽きさせない街氷見、





なんと、魚々座(ととざ)横にこれまた先鋭的なデザインの橋を発見!こういうのを見つけると、ついつい渡ってしまいたくなる悲しい性(さが)。


天気もよく、ペダルが進みます。さらに、右手先方には展望台も。左手奥に見えるのは「氷見 番屋街」の黒い屋根。


展望台に上りたいのはやまやまでしたが、この日は天気が良すぎて、逆に階段を上る気力がありませんでした。


橋をUターンして、行列にあふれる「氷見 番屋街」を横目に先方に見える魚々座を目指します。


こちらが、魚々座の入り口。左手にあるのは本物の漁用の網。


大漁旗の下にある受付で300を円払って中に入ります。


中に入ると気付くのが、とにかく「広い!」ということです。先述の「氷見 番屋街」が立錐の余地もなかった状態なので、雲泥の差です。高い天井からは、本物の集魚灯とさらには実際に使われていた定置網がぶらさがっています。これは、実際の海の中にある定置網を空中で再現したとのこと。また、展示物はすべて、床に直接置いて展示されています。


展示物の多くに「表札」が掲げられていますが、
実は、ここの展示物は氷見市内の実際の漁師さんのおうちからいただいたものがほとんどなのです。


「実際の漁師の生活をありのまま見てもらう。」というコンセプトから、展示物を「種類」ではなく、あえて家庭ごとにわけて展示しているのです。よって、歴史的に古いものから比較的新しいものが混ざって展示されることもありますが、それでこそ実際の漁師の生活がリアルに伝わってくるのです。 あまり比較したくもありませんが、県都にこの夏オープンした、ワケが分からないガラス細工に4億円かけてオープンした施設よりも、こちらのほうがよほど「キラリ」としている印象を受けます。


だから、ホンダの発電機なんかも展示してあるのですが、これも実際の漁師の生活の一部なんですよね。


こちらは、ハレの日に出された「御膳」の展示。

さらに、ここ魚々座のすごいところは、これらの展示物を、

自由に手に取って触り放題!!!

というところなのです。


案内板にある「魚々座は、博物館や資料館ではなく・・・。」の部分に、その矜持と気概を感じ取ることができます。このような場所は、全国的には珍しいのではないでしょうか。西町でつまらないガラス細工を見るより、こちらで生活に根付いた漁具や民具にふれている方が、よほど心が豊かになるような気がします。


展示物の一つであるこちらの鐘も実際に鳴らしてよく、子供たちが案内板にあるように「思いっきり大きな」鐘の音を館内に鳴り響かせていました。


こちらの船も眺めていると、いきなり地元のスタッフの方に、「是非、乗ってみてください。」と声をかけていただきました。実は、この船、展示されているだけでなく、実際にこの前、進水式も行ったみたいです。
http://himi-totoza.com/news/launch0809/


漁師の生活を満喫したら、今度は美しい氷見漁港を眺めながら、あの氷見の魚を楽しむこともできます。


お値段も手ごろ、というか、破格!


おすすめは、漁師たちが船上で朝飯として食べるかぶす汁。


さらに、ここ魚々座の飲食スペースは、こあがりで、各自が御膳やちゃぶ台の上で食事を楽しめるような演出となっています。


海の真ん前かぶりよりポジションは、お子様二人が寝転んで独占です。


こちらは、展示物も兼ねた、昔のミニこたつですが、これもテーブルとして利用できます。


海にピンを合わせているために館内が暗くなってしまいましたが、みなさん本当に漁港に流れる時間を堪能されていました。


そして、さらにさらに何よりも素晴らしいのは、ここ魚々座は段差がないフラットスペースが多くあるので、車椅子の方でもストレスなく館内を見て回れる構造になっているんですよね。実際に、この日も多くの車椅子の方も、館内の展示品に手を触れて楽しんでいらっしゃいました。


本当は、かぶす汁を食べたかったのですが、このあと予定があったので泣く泣く、自転車の返却ポイントであるJR氷見駅へと向かいました。


帰り際、魚々座横の埠頭でのんびりたわむれるカモメ君たちを発見。魚々座だけではななく、氷見全体が、本当にいい街でした。

雨晴駅から自転車で行く、「世界一美しい湾」経由、氷見「魚々座」の旅、秋こそおすすめです!



最早、全国的に有名になってしまった「氷見」。そのランドマークとなっている「氷見番屋街」はこのお盆も、大いに賑わっていました、というより賑わいを通り越して、立錐の余地もない状況。
飲食街は身動きがとれず、

テーブルはもちろん満卓、

魚売り場もご覧の通り、

極め付けはこちら、回転寿し、

あえてピンが外れている写真にしていますが、店内の中から列が伸びています。

もちろん、駐車場は満車です。

皮肉なことに、北陸新幹線の富山駅より人口密度が高くなっている氷見番屋街。
ホリデーシーズンの氷見は、近づくべきではないのか?

それを、解決すべくとやどこがオススメしたいのが、氷見番屋街から橋を渡り400m、この春オープンしたばかりの氷見漁業交流館「魚々座」です。

この魚々座、いわゆる漁業の資料館なのですが、実は館内で氷見の魚介類を味わうことができるのです。そして、ここが大事なのですが、入館料300円を払っても、全般的に安く食事も出来てしまうのです。もちろん、小学生以下は入館料無料なので、家族でも安心。さらにさらに、館内の雰囲気は港区あたりにありそうな、コンセプトレストランの様相。とにかく、一度行けば、その素晴らしさが分かります。

今回は、富山湾の美しい景色を楽しみながら、この魚々座を目指しました。

JR高岡駅にやって来ました。この昭和な雰囲気満載のキハで氷見を目指します。


10分程度走ると、富山県のポスターなんかによく使われる義経岩が見えてきます。冬だと背景に立山連峰が見えますが、夏は雲が多く立山連峰は見えません。 (訂正 こちらは、義経岩ではなく、女岩でした。)

途中の雨晴駅で下車。

ホームの真横に富山湾が迫っていて、のどかな雰囲気を漂わせています。

実は、ここ雨晴駅で途中下車したのは、ここから富山湾の美しい景色を眺めながら、自転車で氷見を目指すためです。鉄道王国富山は、最近ではサイクリングロードを整備してグランフォンドなどの大会を開くなど自転車王国にもなりつつあります。特に、ここ雨晴から氷見にかけてのロードは「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟した富山湾の魅力を堪能できるコースとなっています。

一回貸し出し料金200円を払い、マップをもらって出発です。ちなみに、このレンタサイクルは、氷見駅、魚々座、その他の氷見市の公共施設で乗り捨てが可能です。そういう部分も便利です。

まずは、Uターンして海辺に下り、生女岩を鑑賞、これが天気がいい冬のシーズンなら、

こんな感じになるそうです。

映画のセットにありそうなバス停を見ながら、海辺のサイクリングロードを目指しまします。路上にあるのがサイクリスト向けのガイドペイント。小さく右折を指示しています。

右折して目に飛び込んで来たのは、踏切越しの海。このワクワク感!

風景が夏しています。

海水浴客で盛り上がる海辺を疾走します!

途中、こんな誘惑も、しかし、氷見までガマン、ガマン。

ここは沖縄かと思うほどの美しい海。

途中、防風林の中を抜けていきます。

暫くすると、並走する県道へと導かれます。

こちらは、氷見市の植物園。

途中、色んな場所で「本物」のサイクリストと遭遇するので、ママチャリのとやどこ管理人は素直に道を譲ります。

防風林越しの富山湾もまた美しからずや。

この風景も好きだなー。と、あまりの富山湾の美しさについつい写真を撮ってしまい、全く前に進まない事態に。

意を決してペダルを漕ぐと、目的地魚々座はあと少し。

しかし、橋越しの氷見の市街地を見ていると、ついつい寄り道したくなります。

こちらは、現役の氷屋さん。雰囲気がcoolでいいですね。(氷屋さんだけに、、、)

氷屋さんの向こうには、からくり時計ならぬ、からくり橋なるものがありました。

30分に一度、スモークの中から人形が出てくる仕組みだそうです。

しかし、寄り道だらけの、サイクリング、本当に魚々座にたどり着けるのか?

つづく








北陸新幹線開通後の初のお盆を迎えた富山県。毎年、このシーズンになるとニュースでもよくやる帰省のシーン、お約束のように地元のテレビ局でも、こいつがトップを飾ります。
真新しいホームに滑り込んでくるEW7くん。
去年までは、寂れた在来線のホームに飛び込んでくるサンダーバードのシーンが素材として使われていたことを考えると、隔世の感があります。特急の停車位置を示した頭上パネルが並ぶ狭い在来線ホームに人がごった返していた昨年までのお盆の方が「シズル感」があってよかったような気もします。

そもそも、東京ー富山間の運航頻度が増加した分、一運行分の乗客数は減少しているため、去年まで見られたように、越後湯沢からの「はくたか」が到着するたびに、旧富山駅コンコースに人だかりできるということもなくなりました。今夏の盆も、この通り、帰省「ラッシュ」とありますが、ふだんの週末の富山駅と比較しても落ち着いているくらいです。

Uターン時、越後湯沢行きの「はくたか」の自由席が高岡発車時点でとんでもないことになっていて、富山駅から乗ろうとしたらホームのアナウンスが「自由席ご利用のお客様はお近くの指定席の車両からご乗車ください。」(自由席のデッキまで人があふれて乗りきれない)と告げていたのも、昔ばなしとなってしまったようです。

そんな中、地元テレビ局は立山連峰登山を猛アピール、まさか、あの難攻不落の剱岳の中伏からテレビの生中継をするという快挙(暴挙?)を成し遂げました。

富士山の頂上からテレビ中継をやる時代にたかだか3000mにも満たない山の中伏から中継って、「今さら?」と思われるかもしれませんが、この剱岳、「登山者にとって最も危険度が高い山」として知られており、命を落とした登山者は数知れず、登山口の一つである富山県上市町の馬場島(ばんばじま)では、今でも多くの鎮魂のための碑が建っています。

往年の富山ケンミンなら、「雄山(立山)の頂上に登ってない奴は男じゃない」と祖父から聞かされていた人も多いと思いますが、そんな富山の男たちも、自分の孫や息子に間違っても「剱の頂上に登ってこい」とは言いませんでした。

そんな危険なのに、もとい、危険だからこそ未だに山屋さんたちの心を捉えて離さない、剱岳、今年は北陸新幹線の開通と好天で客足も増加しているということですが、一般の方が剱岳で立山連峰の急峻さを堪能するのは、(当然のように)かなりハードルが高すぎます。
(この「剱岳中継」、実は夕方のニュースの全国パートでも流れたのですが、一部の人に剱御前小屋が室堂ターミナルと同じレベルで「北陸新幹線で気軽にいける場所。」として、伝わっているのではないかと心配です。)

そこで、とやどこから提案したいのは、たった半日で立山連峰の急峻さを十二分に堪能できる、黒部峡谷鉄道の「ちょい乗り」です。

立山黒部観光の代名詞として有名すぎる黒部のトロッコ列車。でも、これ終点の欅平駅まで乗り通すと片道90分以上、往復で乗っている3時間以上かかります。つまり丸一日、トロッコ列車に時間を取られちゃんですよ。これ、例えば2泊3日で富山観光に来ている人にとっては、かなりの痛手です。

さらに、ジモティが密かに感じているトロッコ列車への本音を語ると、

帰りの90分はかなり飽きる!

と、富山の観光業界関係者を全員敵に回しそうな発言なんですが、実際にそうなんですよね。

そこで、宇奈月駅から一般観光客が下車できる駅の中の一駅目である黒薙駅まで、トロッコに「ちょい乗り」して来ましたが、そこはテーマパーク顔負けの急峻な地形が目の前に迫ってくる天然のアトラクションでした。

お昼過ぎのトロッコ電車宇奈月駅にやってきました。

乗車前から、記念撮影で盛り上がります。

駅ナカでは、黒部峡谷鉄道のキャラクターがお出迎え。

ここで切符を買います。黒部峡谷鉄道は、往路分のみ便指定での発行となります。

チケット入手。黒薙までの往復、1140円とリーズナブル。

地元の高校生のアルバイトの女の子に切符を見せて、改札を抜けます。

ホームには既にトロッコ電車が入線済み。

この可愛らしい機関車二両でトロッコを牽引。

こちらが、本日乗車する開放タイプの一般車両。

お財布に余裕がある方用に「一等車」もあります。

ホーム横には、物資輸送用の貨車も。黒部峡谷鉄道は現役の黒部ダムの物資輸送ルートでもあります。

トロッコに乗り込むと何やらカメラを構えた女性が。

実は、こちらの女性、下車後に希望者に有料で販売するための写真を撮影するためのカメラマンでした。乗客全員の写真を撮っていきます。もちろん、買う買わない自由。

ホームの売り子さんも、旅気分を盛り上げてくれます。

そして、いざ出発。ホームの駅員全員が手を振って見送りです。

駅を出て最初の見せ場は、この赤い橋。景色の素晴らしさにトロッコの中から歓声があがります。

赤い橋から見えるのは、黒部川にかかる旧「赤い橋」、かつては線路横に歩行者用の歩道がありました。

この旧「赤い橋」から見える、「赤い橋」を走るトロッコ電車はよく広告ポスターに使われます。

みなさん、シャッターを切りまくりです。

今度の見せ場は、こちらのエメラルドグリーンの湖。

この「碧さ」に車内からはため息も漏れてきます。

もちろん、こちらもシャッターの嵐。

そうこうしているうちに、最初の駅である柳橋駅を通過。この駅は隣接する発電所の職員専用駅なので、一般客は乗降出来ません。

駅名標もしっかりあります。

こちらがその発電所。写真は帰路に撮影したものなので、曇り空となり湖の色も変わっています。

こちらは、猿のために黒部峡谷鉄道側が設置している猿用の吊り橋。

ナローゲージなので、手を伸ばすと本当に電柱に手が触れてしまいます。

トンネルでは真横に壁が迫ってきます。本当にUSJのアトラクションみたいです。

15分後、目的地の黒薙駅に到着です。

乗ってきたトロッコ電車を見送ります。本当に映画のような美しさ。

トンネル手前の青い橋を近くで眺めると、この駅が本当に秘境の中にあることがよくわかります。

遊園地の中にありそうな可愛らしいホームの黒薙駅。

実は、黒薙駅からはもう一つ路線が分岐しています。トンネル方向に分岐しているのは、砂防ダムの整備用の路線です。もちろん、一般の方は利用できません。

最近話題のあの機械も、黒部峡谷鉄道沿線では使用できません。

ここ黒薙駅は本当に秘境の中にあるので、周りに観光スポット等はありません。一応、黒薙温泉(宇奈月温泉の源泉)の最寄り駅ではありますが、徒歩5分とかの世界ではありません。さらに、黒薙温泉までの道のりも絶対に遊歩道レベルのものではなく、岩場が剥き出しのかなりアドベンチャーな雰囲気なものです。実はこの日、とやどこ管理人は無謀にも、黒薙駅から黒薙温泉をめざしたのですが、それは本当に「行」の世界でした。

復路のトロッコ電車が来たので乗り込みます。遠くて分かり辛いですが、開放の一般席がほぼ満席で、乗り込むのに一苦労でした。

途中駅で宇奈月発のトロッコ電車と交換。時刻は15:00近くでしたが、一般席はほぼ満席。北陸新幹線様様です。

宇奈月駅に戻ってきました。行きと違いホーム上に人だかりができます。

出発時に撮影されていた写真が販売されていました。

片道15分程度のトロッコ電車の旅でしたが、十二分に黒部峡谷の自然を堪能できました。時間の都合で、富山旅のトロッコ電車を諦めていた方に、この黒薙駅までの「ちょい乗り」、本当にオススメです。

そして、帰りは、ちてつの宇奈月温泉駅前のお約束のこちらに是非触れてから帰路についてください。

名物、温泉噴水。





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