3月26日北海道新幹線の開業日、富山的には、北陸新幹線とあいの風と地鉄のダイヤ改正日、富山県内は太陽は出ているけどひんやりした空気、昔、晴天の1月1日に、国立競技場で天皇杯を見たときの体感に似ているような。

遠い北海道に行けるほどの余裕があるわけでもなく、はたまた近所に外出するほど暖かい気候ではないこの日、とやどこ管理人は自宅でテレビを見ながら、北海道新幹線に想いを馳せることにしました。

イチ富山ケンミンが、自宅警備しながら感じた北海道新幹線。

朝、地元の日本テレビ系列にチャンネルを合わせると、そこには辛坊アナの顔が。

昨年も、この「ウェークアップ」では、北陸新幹線の開業を特集していて、かがやきの一番列車の追跡をしていました。

一年後の今日は北海道新幹線の特集をやっていたわけですが、まず驚いたのは中継で映った新函館北斗駅のホームの風景。
 (c)ytv

もちろん、一番列車が発車した後ということもありますが、あまりにも閑散としすぎたホームではあります。
開業時は、あの「新高岡駅」ですら、これだけのホームの賑わい。もちろん、主役のEW7系はホームにいない状態です。



方や起点駅、方や途中駅、よく北海道新幹線は予約率が低いと言われますが、そもそもこのホームの野次馬の少なさからして、もしかしたら函館のみなさん自身がそんなに北海道新幹線に興味がないのかもしれません。

若しくは、富山ケンミンが北陸新幹線に対して熱すぎるだけなのかもしれませんが、いや、建設運動で東京まで駅伝をやった飯山や、利用率が異様に高い上越妙高駅がある新潟県上越地区だって十分に熱い。なんだかんだで、北陸新幹線のすべての沿線自治体で、ある種ファナティックなほどの熱さを保っている事実があります。

北陸新幹線と北海道新幹線の、この草の根レベルでの温度差は何なのか。

と、難しいことを考えるのはやめて、「海鮮丼の特集はやく!」と思っていたら、

コメンテーターの元某政令指定都市首長だった方が、したり顔で「並行在来線の赤字が大問題だ!」と。

曰く、石川は10億円、富山は65億円の基金を積み立てている。ご丁寧に数字まで出してのドヤ顔。

おーっと、元首長さんの地元の地下鉄だってうん十年間も赤字垂れ流しだったことは触れないことにして、富山の65億円は、すべて県内で調達したもので、ブルーラインみたいにお国から借金はしてませんぜ、元首長さーん。そこまでおっしゃるなら、今度はあいの風にも自腹でご乗車いただきたいですね。

お勉強は出来るけどセンスはない松下政経塾出身者典型の振る舞いに辟易しつつ、ウェークアップは終了。

さて、次はNHKあたりの「北海道新幹線特集」でも見ようかと3チャンネルに合わせると、そこには高校球児の姿が? 「ん?、もしかして、NHKやらないの、北海道新幹線、」

センバツの時期に重なってしまったタイミングの悪さもありますが、通常NHKって新幹線に限らずロケットの打ち上げの時とか、そういう「初めて系」の時は特番組むのに。

だって、青函トンネル開通の時は、特番放送したのは元より、青函トンネルを走る特急の中から生中継とかすごい事にやっていたのに、北海道新幹線の時は高校野球なんだぁー。


テレビは、お昼のNHKニュースまで北海道新幹線を扱うことはなさそうなので、ラジオを聞いてみる事に。

まずは、ニッポン放送の和田アキコさんの番組。去年、北陸新幹線開業時は「北陸新幹線のCMって多すぎるよ!」とオープニングから先制パンチをくらいました。http://toyadoco.blog.jp/archives/1022531596.html

しかし、今日の話題のトップは高橋巨人。和田アキコさん自身もメールでリスナーに知らされて、「ああ、そうだ、今日開業日だ!」と、初めて気づいた様子。

うーん、気をとり直して、NHKのお昼のニュースを見る。
(c)NHK

そうそう、こういうノリの特集で北海道新幹線を見たいワケだな。

(c) NHK

オープニングは、とやどこ管理人も大好きな構内の電光掲示板から。函館で見る「東京」の文字に旅情を感じられずにはいられません。

(c)NHK

こちらは、駅構内の様子。閑散とは言いませんが、開業日ならもう少し活気が欲しいところですね~、

ちなみに、開業日翌日の新高岡駅は、立錐の余地もない状況でした。

と、ここまで読んでいて、いわゆる「盛り上がらない北海道新幹線」は本当なのかなとも思ったりしましたが、この後のニュースで北海道新幹線の様子を見るにつけ、北の大地に想いを馳せずにはいられませんでした。

やはり、「旅情」という部分において北海道新幹線は北陸新幹線はもとより、他の新幹線と比べても比類なき魅力を持っています。

ニュースの中で、青函トンネルを北海道新幹線で駆け抜けた乗客の方がインタビューで「このトンネルに関わった方々の事を思うと感無量だった。」と。他にも、青函トンネルに入る時と、出る時に車内から拍手が起きて、思わずこちらも泣いてしまったというコメントも。

同じ新幹線のトンネルでも「飯山トンネル」だとこうはいきません。「携帯電話の電波が通じない。」っていう苦言は来るかもしれませんが。

最早、当初は「無謀」と言われた青函トンネルの難工事の歴史そのものが人々にとっての伝説であり「ロマン」なのであります。

よく、北海道新幹線のウィークポイントを4時間の壁を超えられなかったと指摘する人がいますが、「ロマン」を前にしたら人間は、その前に立ちはだかる難行は苦にもなりません。

また、北海道新幹線の運賃の割高感を指摘する方もいますが、人間は「無謀」と感じてしまうものには、無条件で財布を開いてしまうものです。

灯台元暗し、我が富山にも「無謀」と「ロマン」を感じさせるものがありました、黒部ダムと黒部峡谷鉄道がそれで、みなさん快適な北陸新幹線を降りてからは嬉々として、あのお世辞にも乗り心地が良いとも言えないトロッコ列車や立山ケーブルカーにお乗りです。

そのみなさんは、誰一人としてトロッコ列車のスピードが遅いとか、黒部ダムまでの料金が高いなどとは言われません。

そう考えると、伝説の青函トンネルをくぐった後、北の大地へとそのまま辿りつけてしまう北海道新幹線そのものが「ロマン」であり、これは北陸新幹線ではなく立山黒部アルペンルートの大きなライバルになるわけです。

ちなみに、東京駅から新函館北斗駅ではなく、本家「函館駅」までは現実的に5時間弱の時間がかかりますが、これは同じく東京駅からアルペンルートの「雪の大谷」の場所までとだいたい同じくらいであり、トロッコ列車の終着の欅平や黒部ダムよりは短いくらいです。

まさに、このゴールデンウィークはH5系がEW7系ではなく、トロッコ列車の大きなライバルになるわけです。電源コンセントもなければ、ウォシュレットどころかトイレもないトロッコ列車は圧倒的に不利になりますが、ここは同じ「観光鉄道」として半世紀ほど先輩のトロッコ列車に意地を見せてもらいたいですね。


※首都圏某駅にて。旅行パンフレットのトップは、既に函館に取って代わられています。

あ、そんな「ロマン」なんぞを理解するセンスがない元首長さんは地元の地下鉄にでも乗って、累積赤字の解消にご貢献を!

(追加談)
青函トンネル開通時のNHK特番を、改めてyoutubeで見返してみました。

この日は、朝8時からの特番だったんですね。トンネルを走る一番列車からの生中継というのもすごいですが、運転席からのオンボードカメラもあったんですね。

放送技術のことはよくわかりませんが、30年前にこれだけのことができたなら、北海道新幹線でも車内からの生中継やって欲しかったような。

何よりも、当時はバブルの真っ只中、H5系より遥かにスペックが劣る特急車両の中からは、明らかに今以上に高揚している乗客の皆さんの熱気、期待感が画面越しに伝わってきます。

まさか、28年後の新幹線の開業が、「はつかり」が青函トンネルを渡った時よりもひっそりとした雰囲気になるとは、この時の乗客の皆さんは想像だにしなかったことでしょう。

最新鋭の北海道新幹線にしても、「ロマン」という点では、初めて海峡を渡る特急列車には叶わなかったということでしょうか。