富山駅から北陸新幹線「つるぎ」で新高岡を目指します。

平日の14時台ということもありますが、なかなか厳しい乗車率でした。

神通川にかかるトラスを眺めながら、流れてきた列車案内のチャイムはJR東日本バージョン。つるぎってE7系で運用されるケースもあるって初めて知りました。揺れもない快適なE7系の旅を楽しもうと寛いでいると、

乗車して5分もすると、すぐに新高岡駅の接近アナウンスが。そりゃー、運賃320円区間なんて新幹線ならあっという間ですが、これも実際に聞くと乗るとでは大違い。とにかく、慌ただしく感じてまうんです。

黒部宇奈月温泉駅から富山駅まで移動の時は乗車10分後に接近のアナウンス。たかだか5分の差ですが、こちらは丁度いいと感じてしまうんです。人間の時間の感覚って不思議です。

車窓左手には、ロードサイドの象徴「イオンモール」が。

やはり、新高岡駅の悲劇は県都の富山駅とあまりにも駅間距離が近すぎたことにあったのでしょう。追加設置された新幹線駅ではなく、当初より新規設置された新幹線駅間の距離で新高岡ー富山は最短なのではないでしょうか。

(例外的存在として、九州新幹線の新鳥栖ー久留米間がありますが、新鳥栖は長崎新幹線の分岐駅として設置された経緯があります。)

この状態なら、高岡市北部の住民の方はもとより、本家「高岡駅」より「新高岡駅」の方が近い高岡市南部の住民や砺波市の方も、北陸新幹線ではなくあいの風を利用して富山駅に向かわれるでしょう。

(例えば、高岡市南部の代表地域にある、戸出駅から富山駅まではあいの風経由で50分–520円、北陸新幹線経由で35分–1270円。)

さらに、東京から本家「高岡駅」を目指す場合は、「はくたか」に乗って新高岡経由で向かうよりも、「かがやき」に乗ってあいの風経由で向かった方が値段も安いし所要時間も短いという現状があります。

それでも、なぜ黒部宇奈月温泉駅よりも多い利用者数を確保しているのか、その答えはつるぎの降車時にありました。

「つるぎ」を降りたホームで待ち構えていたのは、降車客の数倍に上る乗車客の列。みなさん金沢駅でサンダーバードやはくたかに乗り継がれるのでしょう。

つまり、新高岡駅は関西方面への起点駅として「かなりの賑わい」を保っていることになります。

しかし、これでは当初新高岡駅に期待された「東京からの観光客で賑わう」という思惑は達成されているのかと心配になります。

乗ってきた「つるぎ」の5分後に富山駅を発車した東京からの「はくたか」の利用状況を見てみると、

平日の14時台でこれだけの利用者は及第点ですが、多くが東京から高岡に戻って来られた方に見えました。

「はくたか」から下車されたお客様に続いて、とやどこ管理人も2年目の「新高岡駅」を散策です。

フォトプロジェクトのボードは改札横に鎮座。

反対側には、今月から有料となった駅前駐車場の北陸新幹線利用者用の割引認証機が。

二年目を迎えた「新高岡駅」の全景。

駅前には、「北陸新幹線」ではなく「新高岡駅」の1周年を記念したイルミネーションが。

騒動を起こした駅前駐車場も、無料化廃止後は余裕が出てきています。

この日は開業1周年ということで県内のテレビ局も駅前から生中継、写真はフジ系のBBTの中継車。

心配だらけの新高岡駅ですが、いいニュースも。まずは、こちら、来春オープンに向けて駅前にホテルの建設が始まりました。

駅ナカには、昨年12月にセブンイレブンがオープン。たかがコンビニですが、駅周辺にお店がない新高岡駅のような場所では本当に重宝します。

事実、この日も関西方面へと戻られる年配の観光客の団体の方々が先を争うようにコーヒーを買っていらっしゃいました。もちろん、新聞、雑誌も売っています。この新高岡駅のセブンイレブン開業により、JR西日本管内の北陸新幹線の駅の中で富山駅が一番改札口からセブンイレブンまで遠い駅になってしまいました。

このセブンイレブンのすごいところは、お土産物がかなり充実。能作の商品が買えちゃいます。

もちろん、高岡生まれの彼だって。

新高岡駅の隠れた魅力がここ、待合室に併設された電源付きwifiスポット。出張客と思しき方々がひっきりなしに、メールチェック、報告書作成のために訪れています。ここらへんのセンスはさすが商都高岡です。富山駅や、黒部宇奈月温泉駅にもぜひとも設置して頂きたい設備です。

と、多くのビジネスマンの方は見かけた新高岡駅でしたが、おそらくは東京から移動してきたと思しき「外国人」観光客の姿を全く見かけなかったのは気になります。同じ平日でも、富山駅や黒部宇奈月温泉駅では見かけたのにです。

さらに、新高岡で気になったのは、こちら二次交通の要となる城端線。


本数が少ないのも勿論ですが、

ホームで高岡駅行きの列車を待っていると、

やってきたのは、外観がかなりトホホなキハ。特に、EW7系との格差が激しすぎます。


はこだてライナーみたいな最新鋭の車両を用意しろとは言いませんが、富山駅シタを走るセントラムは言うに及ばず、黒部宇奈月温泉駅シタを走る地鉄の大根と比較してもその差は歴然。

3月26日からは、高岡と函館は所要時間においてもいわば商売敵。中心部へのアクセスからして大きな差をつけられています。

城端線のLRT化も含めて、新高岡駅の二次交通の改善を10年先を見越して進めるべきです。

トホホなキハの悲劇はまだまだ続きます。いざ、列車に乗ろうとしても、ドア開きません。どうやら、2両編成でもワンマン運転のため一番前のドアしか開かないということです。
新高岡から乗車時間3分ですが、微妙なストレスを感じました。




高岡駅からは、こちら「いしかわ鉄道」からの乗り入れ車両のあいの風で富山駅まで戻りましたが、今日乗車した二次交通の「地鉄」、「城端線」と比較してもかなり快適で「速い」ということを実感しました。

正直、これを言うべきかどうか迷いますが、あいの風とやま鉄道は、

富山駅から高岡駅までの二次交通の要

として機能していると思いました。乗り換え時間を考慮すると、石動駅利用の方も富山駅まであいの風を利用して新幹線に乗り継いでいらっしゃるかもしれません。

皮肉なことに、あいの風とやま鉄道の二次交通としての秀悦さが、新高岡駅苦戦の一因になっているような気がします。

この日の新高岡駅の状況を裏付けるように、19日付の地元紙にも新高岡駅の苦悩ぶりが掲載されれいました。

(北日本新聞 3.19付 一面記事より)

2年目の北陸新幹線が走る富山県内を周遊して感じたことは、かがやきの後ろにある陰の部分です。

魚津市しかり、新高岡駅しかり、さらには先述の富山空港しかり。

元日経トレンディ編集長の北村 森氏曰く、「一年経って分かったことは、新幹線ってモンスターだってことだ。」とおっしゃっていましたが、モンスターゆえに踏み潰された者もいるということです。

3.14から2年目を走り始めた富山県、ぜひこのモンスターを全ての面で活かして欲しいものです。