先月発売されたとある月刊誌に、衝撃的なタイトルの記事が掲載されました。その名も、「羽田便が消える日」。

雑誌名は「月刊アクタス」、誌名を聞いて「???」と思われた方が富山ケンミンも含めて多いと思われますが、実はこちら、お隣石川県の北國新聞社が発行する月刊誌。
対象が石川県内の読者なので、特に富山空港のパートについては、地元マスコミが斬り込めないデリケートな部分についても鋭く指摘。なんてったって、「富山空港はレッドゾーン」ですから。

記事内では、「新幹線で2時間前後で結ばれた、新潟、仙台の両空港と富山空港のキャラが丸かぶり。両空港とも、新幹線開通から3年以内に羽田便は撤退。Xデーは近い。」と指摘。

これでもかと、週刊現代並みに富山空港の危機感を煽る記事とは裏腹に、「小松はまだ大丈夫!」的な表現が散見される特集に、「くっ、だったら、かがやきはみんな富山どまりにしちゃうよ!」と、心の中で悪態ついたのはナイショです(苦笑)。

そんな「Xデー」に立ち向かうべく、連日、富山空港を巡る記事が地元紙の紙面を賑わしています。


まずは、こちら那覇チャーター便。ただし、7月限定。以前、JTAが那覇ー富山便を運航していたんですが、すぐに撤退したんですよね。

どうせなら、農閑期の冬に運航した方が、富山ケンミン的には需要があるような。夏の運航だと、沖縄の方が富山に観光に来るっていうパターンの方が多いと思われますが。

次は、こちら、県庁職員の次は、中高生まで動員です。しかし、修学旅行先が「東京」というのもしっくりこないですねー。それとも、舞浜のテーマパークとかに行くんでしょうか?

定番の京都、奈良なら、羽田乗り継ぎの「関空」とか?うーん、あいの風とサンダーバード乗り継ぎの方が安いし速いですね。

空港アクセスも検討。乗合タクシーで魚津まで3,000円、高岡、砺波までは2,500円。

魚津駅から北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅までは、あの高運賃の地鉄を利用したとしてもワンコイン以下で20分で行けちゃうから、まあ需要はないでしょうね。そもそも、黒部宇奈月温泉駅には無料の大駐車場も完備されてるから、ジモティが乗合タクシーを利用するとも思えませんし。

逆に、新高岡駅が最寄りで北陸新幹線の時短の恩恵を受け辛い南砺地域の砺波まで2,500円なら、充分に勝利の可能性があるような気もします。迷走を続けていた、新高岡駅の無料駐車場の有料化も、皮肉なことに乗合タクシーをアシストするような。

どうせなら、五箇山まで3,000円とかの乗合タクシーを出したら、首都圏のみならず海外からのインバウンド客にもインパクトあると思いますよ、新総曲輪のみなさん!
世界遺産集落に最も近い空港みたいな感じで。

しかし、究極は、以前もエントリーで提案した、高山ー富山空港間の連絡バスの復活。小松が半ば福井県の空港として機能しているように、富山空港も飛騨高山への玄関口へと飛躍させるべき。

医療用ヘリで富山と飛騨地域は連携できたのだから、空港でも連携できるはずでは。

もちろん、予算もつきました。しかし、かつてはANAのドル箱路線で、チケットの争奪戦が繰り広げられていた羽田便が補助金でなんとか生き長らえているなんて、この秋風感がなんとも哀しい。

おまけは、こちら、富山ケンミンへの空港利用促進のPR用に作られたマグネット。
上記の9,500万円が、こういうのに使われるのも微妙なトホホ感。

この春、とやどこ管理人も羽田便に「乗ってみた」エントリーを掲載すべく画策中。

(後日談)

こちら、富山から遠く離れた沖縄県の地元紙に掲載された、アルペンルートと白川郷、高山、上高地、能登半島のツアー広告。アルペンルートという名前が前面に出ていて、富山、岐阜、長野、石川っていう県名が全く出てこないのも興味深いですが、気になったのは、旅程表、
二日目に、立山駅に着いた後は、富山を完全スルーして金沢泊という哀しい現実は触れないことにして(苦笑)、最終日に砺波のホテルを出た後は、東海北陸道を駆使して白川郷と飛騨高山を観光した後、富山空港を利用してその日のうちに那覇空港に戻るというスケジュールとなっています。

朝、砺波にいた人が、世界遺産見た後、夜には那覇にいるっていうのもすごいですが、それだけ富山空港と飛騨高山、さらには東海北陸道の親和性って高いっていうことですよね。

松本空港の羽田便が廃止された今、富山空港は羽田から最も高山、白川郷、さらには上高地に近い空港になりました。だからこそ、県も白川郷や高山への玄関口としての富山空港をもっとアピールすべきです。なんで、隣県の観光促進をやるのかという意見も出る可能性があるかもしれませんが、富山空港から白川郷や高山の人の流れが恒常化することによって、富山空港は飛騨地域だけでなく上高地も含めた北アルプス全体の「ハブ」としての地位を手にすることになります。

そうなると、沖縄からのツアーレベルではありません、新興の各国から「HND−TOY」のタグをぶら下げた荷物を持った人が多く集まってくるでしょう。

「向こう」が東京まで2時間8分なら、こちらも上海まで2時間半なのですから。

と、大風呂敷を広げてしまいましたが、

まずは、富山ー白川郷のバスを富山空港経由にすることから始めてみたらいかがでしょうか、石井知事!