あの「劇的」な、ラストシーンから一夜明けた9月15日、恋仲最終回の視聴率が11.5%と発表されました。大河ドラマどころか、報道番組とスポーツと笑点以外は軒並み10%を下回っているこのテレビ離れのご時世で、これは健闘したと言って過言ではないでしょう。

さて、この恋仲の主人公、あかりとあおいの地元は「富山県射水市新湊」と設定され、当然ながら現地ロケも「新湊」を中心に行われたわけですが、意外や意外、その他のロケ地が県内の場所多岐に渡っています。なかには、ジモティーですら思いつかなかった場所もあるくらいだったので、特に印象深い場所を、恋仲を振り返りつつ辿って行きたいと思います。 (見出しの写真は、最終回で2人がそれぞれ降り立った富山駅の北陸新幹線改札口)

1.新湊内川地区


まさに、恋仲のシンボルとして撮影された場所です。
http://www.imizu-kanko.jp/www/special/uchikawa/index.html

町中を流れる川に何本もかかる橋が風光な景色を作り出しています。


この川べりの道があかりとあおいが歩いていた場所です。ふだんは観光拠点となっている、


「川の駅 新湊」ののぼりなんかがたっています。


アクセスも比較的容易で、こちらの高岡駅から出ている万葉線の新町口駅から徒歩10分程度。レトロな路面電車も楽しいですよ。


しかし、ドラマでは、この万葉線は登場せず、実際に登場したのは富山地方鉄道の駅でした。

2.新宮川駅(富山地方鉄道)
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富山県東部を走る富山地方鉄道沿線は、その風景の美しさからよく映画のロケでも使われています。有名なものでは、高倉健さんの遺作となった「あなたへ」で、高倉健さんが富山から車で飛騨高山に向かうシーンで使われています。(現実には、通らないルートですが・・。)

また、この富山地方鉄道そのものが舞台となった映画Railwaysは、富山地方鉄道の各駅が本当に美しく描かれています。

で、こちらの新宮川駅ですが、当然ながら、新湊内川地区とは大分距離が離れています。もちろん、こちらの「新中沖駅」は「富山第三高校」の最寄り駅という設定なので、距離が離れていても設定上はおかしくありませんが、この「富山第三高校」が上市高校でのロケだったので、あおいとあかりは、わざわざ県西北部の新湊から県南東部の上市まで通学していたことになります!!!

と、ひねくれた発想はおいといて、ドラマの中でもホームの風景を美しく描いてくれています。

さらに、初回では

旧塗装の電車が停車しましたが、

最終回では、

新塗装の電車を停車させるあたり、これ、絶対に時の流れのメタファーですよね。

また、駅名の「新中沖駅」の中沖と聞いたら、富山ケンミンは前知事の中沖豊氏へのオマージュであることは、すぐに気づいたはずです。

3.白岩川
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この川の名称は、富山ケンミンでも知らない人も多いのではないでしょうか。源流を立山に持ち、「新中沖駅」や「富山第三高校」がある上市町を通り、となり舟橋村、さらには富山市水橋地区を流れて富山湾に注いでいます。


河口の富山市水橋地区では、毎年7月に花火大会と流し火が行わています。


ドラマでは、第一話の高校時代の帰り道に川に飛び込むシーンで使われています。

駅のロケを行った上市町から近いという理由もあったと思いますが、しかしながらよくこの場所を見つけたと思います。地元民でもさすがに思いつきません。

4.滑川高校

「富山第三高校」は上市町にありますが、その「屋上」は、上市町から北へ向かった富山市の東に隣接する滑川市の滑川高校にあります。素直に、上市高校の屋上を使えばよかったのにと思われるかもしれませんが、上市高校からでは富山湾が見えないため、画面の中に立山連峰と富山湾を同時に入れるためにわざわざ屋上部分だけ別撮りにしたのかもしれません。

ここ滑川市の風景は、富山湾と立山連峰のバランスが本当に上手くとれているんですよね。

関連エントリー
http://toyadoco.blog.jp/archives/2015-03-27.html

ここまで、書いて、このドラマのロケ地選定、相当県内各地の風景に精通している会社が協力しているのだと思いました。ロケハンには、もしや「あの会社」が絡んでいるのでは???

5.浜黒崎海岸
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第一話では、冒頭あおいが全力疾走するシーンと、高校時代水泳大会をフライングで失格なった話をするシーンで、最終回ではWあおいが話し合いするシーンで使われています。

ここも、本当に地元の人しか知らない景色が美しい場所です。ただし、アクセスは比較的容易で、下記の関連エントリーの冒頭部分の富山駅北口からポートラムとフィダーバスを乗り継げば30分程度で着きます。

関連エントリー
http://toyadoco.blog.jp/archives/1024835748.html

実際に、ロケ地を振り返ってみると、ガイドブックにもない、かなりマニアックな場所が多いのに驚きます。特に、浜黒崎海岸なんてよく思いついたと思います。

(ファイナルシーンはいただけませんでしたが、)恋仲によって、富山の新しいスポットが全国に紹介されたのは、とても素晴らしいことだと思いました。

最後に、このロケ地を発掘した「あの会社」とは、地元の映像制作会社であるタカオカンドリーム社だと思われます。
http://takaocandream.jimdo.com/

ここは、あの北陸新幹線PR映像で、県内各地で撮影を行った関係で、県内の「絵になる」場所に精通していると思われます。


この映像では、新湊内川も登場します。青いのは、射水のユルキャラ君。


実際に、最終回のエンドクレジットにも、この会社の名前がありました。

尚、浜黒崎海岸には、高校生のあおい君とあかりさんは自転車で来ていました。2人は、県西部の新湊から富山湾沿いに自転車で20kmほどの道のりを県東部の浜黒崎海岸に来たことになります!!!

しかし、それも問題はありません、この区間には「富山湾岸サイクリングロード」が整備済みなのですから!!!