北陸新幹線の延伸開業後、富山県内を走る在来線特急は富山駅を起点とするJR高山本線の特急ひだを除いて、すべて廃止された訳ですが、これを停車していた特急の「廃止率」という視点で見た場合、高岡駅ほど発着する列車が大きく減少した駅も他にないのではと思います。

何しろ、3月13日までは、大阪、名古屋、越後湯沢、新潟方面の特急、ついでに臨時のトワイライトエクスプレスと、北陸本線を走る全ての特急列車が停車する「全停駅」だったにもかかわらず、一夜開けたら長大なホームに停車するのは二両編成のあいの風とやま鉄道のローカル列車のみとなった訳ですから。

そんな、一夜にして「逆シンデレラ」となった高岡駅に行ってみました。

正面入口となる古城公園口側の外観です。赤いネオンの文字は併設された駅ビル「クルン高岡」のロゴです。駅名表記の横にJR線と万葉線の表示はありますが、あいの風とやま鉄道の表示はありません。
丁度セブンイレブンの真下あたりに、一年前から駅ナカに乗り入れた路面電車の万葉線の乗り場があります。

駅前の様子です。再開発も進み、高層ホテルと複合ビルが鎮座。この風格は、新高岡駅前はもとより、県都がある富山駅の南口をも凌駕してしまう勢いです。まさに、商都高岡の面目躍如です。

改札前の案内表示です。当然のように全て「普通」の表示。時間帯によっては3列ともに赤字の「特急」の表示になったのも今は昔。

こちらは、自動券売機がある場所ですが、自動券売機が数台撤去されているのがわかります。

改札前の案内板。新高岡駅がある方向の出口は瑞龍寺口と名付けらています。

改札前から瑞龍寺口まで行く自由通路途中にご当地萌えキャラ発見。こちら、(おそらく)高岡大仏を模したあみたん。

お次はカノン。

最後はセシル。どうせなら、県外からの観光客の方が多い新高岡駅にもこれらの萌えキャラを登場させればいいPRになったのにと思いますが、JR西日本がW7系にはそぐわないとダメ出ししたのか、新高岡駅では誰一人彼女らに出会うことはありませんでした。

こちらが瑞龍寺口の外観、いわゆる裏側の入口ですが、コンパクトにうまくまとめてあるデザインだと思います。県都富山駅の北口と違い、県外からのお客様にもお見せできる外観です。
(富山駅北口外観 日本全国の新幹線停車駅の中でこれほどcoolじゃない外観を持つ駅もないと思います。)

今度は駅ビル「クルン高岡」の様子です。入口横のKAWASE cafeはコーヒー一杯が90円。夕方になると地元の高校生で賑わいます。

中に入ると、彼がお出迎え。高岡市は今や世界中で有名になった彼が生まれた場所です。

高岡市の高岡市美術館では現在、藤子F不二雄展を開催しています。のび太君の部屋のタイムマシーンも実際に中に入れるように展示してあって、なかなかの盛況ぶりです。

店内では、地元の名産品に混じって彼もお土産として並んでいます。

真下にある万葉線の乗り場にも彼が登場です。

万葉線乗り場横のエスカレーターからはクルンの地下街へと行くことが出来ます。高岡駅の地下街の歴史は古く、高度経済成長期に「日本海側で初」の地下街として鳴り物入りで登場しました。県都富山市には未だに地下街など存在しないので、ここらへんにも商都高岡の矜持を感じることが出来ます。

通路歩き、その先にあった光景は、

本当に誰も歩いていない地下「街」の光景でした。撮影時刻は平日の夕方。本来なら帰宅する客で賑わう時間。もちろんお店は全て営業時間内。早朝や深夜に撮影したやらせではありません。

地下街を一周してやっと人を見つけました。テーブルで自習をする地元の高校生のみなさんです。少なくとも買い物をしている方を見つけることは出来ませんでした。

    (c) KNB

この状況は、早速地元局の夕方のニュースでも取り上げられていました。(北日本放送NEWS EVERY 2015年4月14日放送分より)

    (c) KNB
     
テナントの方々はかなり深刻な状況です。

こちらはイベントスペースと、大型ビジョンです。この大型ビジョンを広告スペースとして販売中でしたが、これを撮影している最中、誰一人この前を通った方はいませんでした。

同じ時間帯の高岡駅改札内の様子です。夕方だったので、それなりの数の方が駅を利用されていました。しかし、特急列車が停車していたころのこの時間帯は、さらなる人がここに溢れていたことは容易に想像出来ます。

地方都市の駅にとって特急が停車する否かは、その街全体の商業活動に影響を及ぼすことを改めて実感させてくれた高岡駅訪問でした。
国鉄深谷駅の時代から特急停車の陳情合戦が繰り広げられる理由もよくわかります。

中核都市として相応しい駅前の様相に、機能的に整備された新駅舎、どれもこれも県都にある富山駅を凌駕している高岡駅に再度かがやいてもらいたいものです。

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