依然ブームが続く田舎暮らしですが、昨年、ある有名人の方が突如四国は高知県に引っ越して、物議を醸し出しました。有名人と言っても芸能人という訳ではありません。その方のお名前はイケダハヤトさん、ネットの世界ではとても有名なブロガー(ブログの筆者)の方です。イケダハヤトさんは横浜生まれで大学卒業後は東京の郊外に暮らされていたそうですが、ブロガーとしても有名人だった昨年、急遽高知に移住。ヤフーのトップニュースにもなったそうです。
(実際に現地にて撮影した四万十川)
そんな、イケダハヤトさんは、当初いくつかの移住先を検討されていたとのことですが、
なんと、その検討候補の中に我が富山はなし。隣県の岐阜と長野はイケダハヤトさんの候補に入っているのに、富山は落選という憂き目にあっております。
そこで今回は、とやどこの視点で、普通のサラリーマンが高知と富山、実際に住むならどちらということを徹底的に研究しみたいと思います。
テーマ1 自然
田舎暮らしを考える人は、まず第一にあげるのは「自然が豊か」な場所という条件ですが、自然の豊かさと雇用機会は反比例するするのが世のならいです。そこで、とやどこでは雇用機会が多いと思われる県庁所在地に鉄道でアクセスできるかどうかを、両県の自然の豊かさのシンボルである、四万十川流域と立山黒部ゾーンで比較しました。
四万十川流域の代表駅は、窪川駅。四万十川のすぐ近くにあり、四万十町を代表する駅でもあります。
立山黒部ゾーンの代表駅は、その名も立山駅。 アルペンルートへの玄関口でもあり、立山山麓にあります。
(写真は両駅ともWikipedia より)
さて、それぞれの県庁所在地駅に平日の朝8時半くらいに到着できるように検索すると、
窪川駅7:05発 高知駅8:54着 1460円
立山駅7:26発 電鉄富山駅8:26着 1080円
窪川駅発のこの電車では、現実に会社の始業時間には間に合いません。しかし、一本前の電車は特急列車となってしまい、運賃に1500円ほど加算されます。四万十川から県庁所在地にある会社への通勤は事実上不可能なのです。これに対して、立山山麓から富山市内にある会社には十分に通勤が可能です。実際にこの区間を通勤利用されている方もいます。横浜市内から日本橋あたりに通う時間距離でしょうか。
ということで、テーマ1自然は富山の勝ち。
テーマ2 企業
東京だろうが北海道だろうが、サラリーマンをやるためにはまず会社そのものが存在しなければなりません。さらに、その会社は規模が大きいほど良しとされるのが世の価値観。東京に人が集まるのもそういう部分に理由があるのでしょう。そこで、今度は銀行、電力会社を除く両県に地盤を置く企業の年商の上位5社です。
高知
東洋電化工業 270億円
大旺新洋 185億円
技研製作所 97億円
北村商事 80億円
フタガミ 78億円
富山
不二越 1936億円
三協立山 1852億円
インテック 929億円
川田工業 522億円
コマツキャステックス 275億円
富山の企業の規模の大きさが目立ちます。上位2社については、これだけの規模だと関連企業などの二次雇用も発生するでしょう。さらに、ここには富山の雄YKK APは含まれておりません。登記上の本社は東京の神田だからです。YKK APの年商は3000億円程度、うち三分の一強は富山における創出分なので、実質上位2社に次ぐ位置にくるでしょう。
いずれにせよ、これだけの規模の企業が多いと(選ばなければ)富山で職にあぶれることはないように思われます。
テーマ3 お金
もう常識と化していますが、田舎暮らしほどお金がかかるのです。今度は、県民一人当たりの年間県民所得ランキングです。(内閣府調べ)
高知 約220万円(全国46位)
富山 約300万円 (全国5位)
この数値がそのまま、県民の年収になるとは思えませんがこのランキングの一位が東京、三位が愛知であることを考えるとある程度の目安にもなります。
共働き率が高いため数値を引き上げていることもあるでしょうが、それでも富山の県民所得の高さが目立ちます。北陸新幹線で富山県が背負わされた借金1000億円もなんとか返せそうです。
テーマ4 気候
ここでは、最も気候が厳しくなる一月の平均気温を比較してみましょう。
高知 6.3度
富山 2.7度
さすが、南国土佐です。プロ野球のキャンプが行われるのは伊達ではありません。一方、雪がふる富山は高知より3度以上低く、一月はサラリーマンにとっては起きづらい朝になりそうです。これは、高知県が圧勝。
テーマ5 東京へのアクセス
富山から東京までのかがやきは臨時便を除いて一日で10本が設定されていますが、高知空港からの羽田便もJAL、ANA含めて10便設定されています。ここまでは、引き分けのように見えますが、こと費用面になると両者に大きな開きが出ます。
前日までの予約なら、富山から東京までは新幹線だろうが飛行機だろうが1万1千円程度で行けますが、高知から東京までは3万円以上もかかってしまいます。厳密には、37,000円ほどなのですが、これならLCCで海外へ行けてしまいます。もちろん、二ヶ月前の予約なら一万円代でチケットが買えますが、そもそも二ヶ月前に旅行の予約を入れるなんて、それこそ「海外旅行」です。
この東京へのアクセスを考えたら相対的に、富山の近さと高知の遠さを感じられずにはいられません。
が、しかし、この遠さが南国土佐の魅力を作っている原因ではないでしょうか、そこで
とやどこからの提案
富山に住んで、高知まで旅をしよう
四万十川流域に行って思ったことは、流域にコンビニエンスストアが全くないことです。それどころか、高知県内は須崎あたりを過ぎてからは一気にコンビニエンスストアの数が減ります。交通事情が悪く生鮮品が運べないからとのことらしいですが、普段目にしているコンビニの看板がないことがむしろ新鮮で、日々の生活を忘れさせてくれる非日常感を高知では味わえます。コンビニの代わりに個人の惣菜お弁当屋さんが多くあり、それを食したのも四万十川での旅の思い出です。
四万十川に対して、立山では山麓に向かう道路のあちこちにコンビニエンストアがあります。特に、山麓から一番近いのがセブンイレブンで、ここは観光シーズンはレジに行列ができます。
しかし、この立山の山麓にコンビニがあってさらには、通勤も可能ということを考えると、富山の自然は日常の横にあるとも言えます。四万十川の自然は非日常の世界です。同じ自然でも、日常の生活で感じる自然と,旅で感じる自然の違いがあります。
サラリーマンをやりながら自然を感じられる場所、それが富山なのです。
(尚、高知に移住されたイケダハヤトさんは、プロのブロガーの方であり、サラリーマンの方ではありません。)
みなさんも富山に住もう!
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