連日テレビでは北陸新幹線についての特番、CMが放映されています。CMでは北陸新幹線の名称のあと「富山、石川、福井」の北陸三県の地名が仲良く呼ばれていますが、こと特番になるとその半数以上を「古都金沢」に関するものが占めてしまうのが現実です。

さらには、先日のテレビ東京系列の特番のように、北陸新幹線の新駅周辺を一つづつ巡るという企画であるにも関わらず、「富山駅」だけは駅前風景を30秒程度放映しただけで過ごされてしまったものも存在しました。(同じ富山県内の黒部宇奈月温泉駅、新高岡駅周辺は大きく取り上げられていました。)

このことは、県都「富山駅」周辺は、金沢は言うに及ばず、黒部アルペンルートを拝する黒部宇奈月温泉駅、飛騨能登の玄関口となる新高岡駅と比較しても、「テレビ的な」観光資源に乏しいということを意味しています。そんな富山駅の開業直前を見てきました。

ガラス面が多くを占めるのが特徴です。新幹線の発着風景が駅の外からも見えました。


県内の新駅の中では最も建築高が低いため、全体的に横長の印象を与えてくれます。駅名の右側には、新幹線と同時に開業する「あいの風とやま鉄道」のロゴも。

駅舎を背にした風景です。典型的な地方都市の駅前風景ですが、駅前には路面電車、通称「市電」が走っています。

こちらは反対側、「北口」の風景です。新駅の駅舎そのものは、北口までは網羅していないため、旧来の駅舎がそのまま使われます。このショットを見る限り、風景的にかなりの改善が求められます。


「北口」駅舎を背にした風景です。駅舎とは対照的に、美しい遊歩道が広がります。

南口に戻り、駅下にはショッピングモールが。あの「富山ブラック」も出店します。

しかし、駅下の本当の主役はこちら、日本で初めて新幹線の真下に乗り入れる路面電車、通称「市電」の「新」富山駅です。実は、この「市電」にこそ、県都「富山駅」が他の街とは一線を画す秘策があるのです。

多くの地方都市と同様、富山市も郊外に人口が移り、さらには高齢化も相まって、市街地の空洞化に悩んでいました。中心部の小学校の多くが統廃合となり、かつて人で溢れていた商店街「総曲輪(そうがわ)通り」は西武百貨店の撤退を引き金に閉店が相次ぎました。

県都富山市の深刻な状況を、現職である森市長は、大胆な発想で改革しようとします。それは、コンパクトシティという考え方で、都市の機能や人口を一ヶ所にまとめることで街全体を活性化することを目的としています。

森市長は、市中心部に人口を呼び戻すための手段として路面電車の拡充を図りました。高齢化が進むと、車の運転も困難になり、公共交通がより重要になると考えたからです。

具体的には、富山駅と富山港を結んでいたJR線を譲り受け、まるごと路面電車の路線に改造しました。それが、現在のポートラムですが、その主要駅ではフィーダーバスがさらにその先の富山市内各地を結んでおり、市内北部の都市交通としての機能を果たしています。

さらに、森市長は市中心部に、路面電車の路線を新規開業させてしまいます。市の象徴である富山城をぐるっと一周する環状線を新たに開業したのです。これは市の中心部を走るため、「セントラム」と名付けられました。

富山市は、東名阪の各都市に次いで鉄道の環状線を持つ都市となったのです。低床の路面電車であるため、東名阪の各環状線と比較しても、最もバリアフリーな高齢者と身体が不自由な方に優しい交通機関と言えるでしょう。そこで、

とやどこからの提案

路面電車で行く「各駅停車の旅」で富山市内を楽しもう!

全国の地方都市にある新幹線駅の中でも、富山駅の二次交通の充実度は群を抜いています。 先述の、ポートラムやセントラムに加え、富山駅横には、立山駅まで一本で行ける「ちてつ」こと富山地方鉄道の駅もあります。新幹線で富山駅を一歩降り立つと、迷うほどにさらなる鉄道の旅が楽しめるのですが、まずはグルメぐりクーポンhttp://www.chitetsu.co.jp/?p=16397を手に入れて、路面電車で市内を楽しむのはいかがでしょう?
これは1000円で、市内南側を走るセントラムと「市電」が乗り放題の切符なのですが、富山名物を一品貰えるクーポンも付いてくるのです。これで、ます寿司を食べるのもよし、地元の甘味を楽しむのもよし。

実は、この切符は、新幹線開業前からも、富山を訪れる方々に大好評で、元日経トレンディ編集長の北村 森氏も地元テレビ局の番組で大絶賛されていました。

さらに、市内南側を制覇したら、今度は北側のポートラムを楽しむのは、いかがでしょうか?専用のICカード「パスカ」を手に入れれば、実質510円で乗り放題になるサービスがあります。http://www.t-lr.co.jp/news/update/file_0128.pdf

この「パスカ」のフェイスがなかなかイケています。記念のお土産としてもいいです。


この春は、路面電車で富山市の春を堪能してください! さらに、「市電」には数え切れないくらいの多くの種類の電車が走っているので、それを全制覇するのもいいのでは。






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